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記録の基礎

自己ベスト(PB)とシーズンベスト(SB)の違い・記録の見方

陸上競技の記録を見ていると「PB」「SB」「公認」といった言葉が出てきます。 意味を押さえると、 選手の記録がぐっと読み取りやすくなります。

最終更新: 2026-08-19

PB(自己ベスト)と SB(シーズンベスト)

PB(Personal Best=自己ベスト)は、 その選手がこれまでに出した最も速いタイムです。 一方 SB(Season Best=シーズンベスト)は、 その年(シーズン)に限った最速タイムを指します。 記録会やレースの実力を比べるときは、 まず種目ごとの PB を見るのが基本です。

この 2 つを分けて見る意味は、 「今どのくらい走れるのか」と「これまでの最高到達点」は別物だという点にあります。 故障明けや進学直後は SB が PB に届かないことも珍しくありません。 逆に SB が PB を更新した瞬間は、 そのシーズンで一段ステージが上がったサインです。 選手を追いかけるときは、 PB だけでなく 「SB が PB にどれだけ近づいているか」を見ると、 調子の波が読み取れます。

当サイトの選手ページでは、 種目別の PB を一覧で表示し、 さらに年ごとのタイム推移をグラフで確認できます。 気になる選手は 選手検索 から探せます。

タイム表記の読み方

長距離のタイムは 分:秒.1/100秒 で表記されます。 たとえば「4:05.32」は 4分5秒32(100分の1秒まで)です。 5000m など時間のかかる種目は「14:30.55」のように分の桁が2桁になります。

  • 800m・1500m・3000m:おおむね「M:SS.ss」形式
  • 5000m・10000m:「MM:SS.ss」形式になることが多い
  • ハーフマラソン・マラソン・駅伝:1 時間を超えるため「H:MM:SS」形式

小数点以下の桁数は、 その大会がどう計測したかを映しています。 1/100 秒まで出ていれば電気計時、1/10 秒どまりなら手動計時(ストップウォッチ)である可能性が高い、 という読み方ができます。 記録集で「4:05.3」と「4:05.32」が混ざっているのは、 大会や組によって計測方法が違うためです。

電気計時と手動計時

トラック競技の公式な計測は、 スタートのピストルと連動した 写真判定装置(電気計時)で行われます。 一方、 記録会や予選段階では人の手によるストップウォッチ計測(手動計時)が使われることがあります。 手動計時は号砲の煙や光を見てからボタンを押すため、 構造的に電気計時よりわずかに速い値が出やすく、 両者をそのまま同じ土俵で比べることはできません。

当データベースは各競技団体・計時システムが公表した結果をそのまま集約しています。 計測方法まではデータとして持っていないため、 表記の桁数と大会の性格から判断してください。

公認記録と参考記録

記録は計測方法や大会の条件によって「公認(公式)」か「参考」かが分かれます。 一般に、 公認競技場で、 正しく計測された距離を、 電気計時で走った結果が公認の対象になります。 記録会形式の大会やオープン参加の組では、 出場資格や運営の都合で参考扱いになることもあります。

よくある誤解として 「追い風参考記録」は中長距離には存在しません。 風による記録の失効が定められているのは短距離(200m まで)や走幅跳・三段跳で、 1500m や 5000m のようにトラックを何周も回る種目は、 風の影響が一周のなかで打ち消し合うため 風速の規定そのものがありません。

当サイトは各競技団体・計時システムが公表した結果を出典付きで集約しており、 元の結果ページへのリンクも各レースページに掲載しています。 記録の正式な取り扱いについては、 必ず出典元および各競技団体の発表を確認してください。

記録一覧に出てくる DNS / DNF / DSQ

結果一覧にはタイムの代わりに略号が入ることがあります。 当サイトでも出典どおりに保持しています。

  • DNS(Did Not Start)=エントリーしたが出走しなかった
  • DNF(Did Not Finish)=出走したが完走しなかった
  • DSQ(Disqualified)=失格
  • NM(No Mark)=記録なし

これらは PB の対象になりません。 選手ページの出場履歴に DNS/DNF が並んでいる時期があれば、 故障や体調不良と重なっている可能性を頭に置いて読むと、 タイム推移の解釈がしやすくなります。

トラックとロードは別々に見る

同じ「5000m」でも、 トラックとロード(駅伝の区間など)では条件がまったく違います。 ロードはコースの高低差・路面・気象条件・他チームとの位置関係で大きく変動するため、コースが違う記録同士を並べて速い遅いを判断することはできません。 駅伝の区間記録は「そのコースでの記録」として、 トラックの記録とは切り離して見るのが基本です。

記録を「立ち位置」で見る

単体のタイムだけでなく、 同学年・同種目のなかでの位置を知ると成長の目安になります。 当サイトの ランキング は 種目 × 年 × 学年 × 性別 × 都道府県 で絞り込め、選手比較 では2名の種目別 PB を並べて確認できます。

目安タイムは学年・年代・地域によって変わるため、 一律の数字を暗記するよりその年の実際の分布を見るほうが確実です。 選手ページのタイム推移グラフには 同年集団の中央値・上位帯を重ねて表示しているので、 「去年より速くなったが、 同学年のなかでは相対的にどうか」まで一目でわかります。

大会の種類でタイムの出やすさは変わる

同じ選手が同じ時期に走っても、 出場する大会の性格によってタイムは変わります。 大きく分けると次の 3 つです。

  • 記録会:勝敗より記録を狙う場。 走力の近い選手で組を分け、 ペースメーカーが入ることもあります。 自己ベストが出やすいのはこの形式です。
  • 選手権・対校戦:順位が最優先。 牽制し合ってスローペースになり、 ラスト勝負でタイムは平凡 ―― ということが起こります。 「タイムは遅いが価値のあるレース」がここに含まれます。
  • 予選会:通過ラインを見ながら走るため、 力を残して流すこともあります。 予選のタイムだけで実力を測るのは危険です。

選手ページの出場履歴は大会名つきで並んでいるので、 タイムだけでなく「どういう大会だったのか」を合わせて読むと、 数字の意味が変わって見えてきます。

記録が伸びない時期をどう読むか

記録は右肩上がりに伸び続けるものではありません。 学年が上がって練習量が変わった直後、 身体の成長期、 試合が続く時期など、 タイムが足踏みする局面は誰にでもあります。

こうしたとき、 PB だけを見ていると「止まっている」ようにしか見えません。 そこで役に立つのが相対的な位置です。 全体の記録水準が上がっているなかで順位を保っていれば、 実質的には前進しています。 逆に、 タイムが微増していても同学年のなかで後退していることもあります。 当サイトのランキングと選手ページの percentile 表示は、 まさにこの読み替えのためにあります。

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ekiden-db 編集部

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